Drama Ryugaku

バックパッカー、英会話、TOEIC講師を経て、現在はネットコンテンツを中心にフリーの映像翻訳者としてパソコンに向かう毎日。英語の習得に費用も手間もかからないネットフリックスを利用しない手はなし!

英語習得の秘訣は負荷とドーパミン

人の3大欲求は「食欲、睡眠欲、性欲」だと言いますが、その次に大きな欲求として「自己顕示欲」や「知的好奇心」などがあります。私の場合は「知的好奇心」から英語の畑に踏み入れるようになりました。最初に英語と触れたのは、覚えている限り7ー8歳の頃動物園に行った時。「カバ」や「キリン」と書かれたプレートの下に全てカタカナとアルファベットで英語表記がなされていました。それをとにかく面白く感じ、全部ノートに書いてはクイズをして回るのが大好きでした。これが私の英語の原点です。そして、この好奇心は英語を話しながら生活している今も本質的には何も変わりません。もちろんカバやキリンのように名詞であればほぼイコールで対訳がありますが、(ない時もありますが)会話中のセリフとなれば文化的、宗教的背景、コンテクストが混在してくるので英語を理解し、話すのに一筋縄ではいきません。そして英語と関わっていく以上この葛藤はいつもついてまわります。同時にこの葛藤というものが言語に味わいを与え、人を魅了し続けてくれるのです。

 

つまり、英語習得というのは、「どこまで自分を飽きさせず続けられるか」にかかっています。日々知らない単語や独創的な慣用句、言い回しを聞くたび英語に惹かれもっともっと言葉のストックが欲しくなります。もちろんこれは英語に限らず日本語でも同じですが、やっぱり母国ではない言語には、その国にしかない表現や定義があり好奇心を刺激してくれるものです。

 

けれど、言語習得までには幾つものフェーズ(段階)があります。通時的に見ていくとこんな感じです。(私の場合)

 

第1フェーズ: 少し聞き取りができ、簡単な応答ができるようになる。まだまだ英語の深みを知らずに好奇心だけ。相手が自分に合わせてゆっくりしゃべってくれるレベル。

 

第2フェーズ:少し広い世界に顔を突っ込みたくなって、英語でドラマを見たり、知っている単語を並べて文章を書いてみて、意外にイケると勘違い。(本当はストーリーと映像に助けられて分かった気分になってるだけ。)どんどん増えていく単語の数に満足できる。

 

第3フェーズ:いつも「I」や「What」から始めていた文章に多様性が出てきて、学校の教科書とは違う自然な表現ができるようになる。getやhaveやmakeの様々な用法を駆使して、無駄のないシンプルな文章が作れる。

 

第4フェーズ:聞き取れる単語や表現、ジョークも楽しめるようになる。けれどまだ自分から素早くツッコミを入れるほど余裕はない。ドラマなどの理解率は7割ほど。内容によって理解のムラがある。(できそうなのにできない、とても苦しいフェーズ)

 

第5フェーズ:話すのも聞くのも、ほとんど母国語と同じ。酔っ払ったおじさんの英語、ブツブツ話す人の英語がわかる。ドラマのジャンルも問わず9割ほど内容がわかる。凡百な応答をしなくなる。

 

おそらく英語学習者の多くが幾つかのフェーズを体験して今に至っているのではないでしょうか?

 

ここでやっと本題!

 

★中級〜上級の勉強方に欠かせない秘訣は2つ。それは負荷とアドレナリンです。まるで筋トレみたいですよね。

 

「負荷」というのは、自分が気分良く聞けるスピードよりも速い英文を聞くこと。聞く→内容確認→その音のまま何度も発話する、これを繰り返す。聞いている内容は自分の口から言いそうな表現、あるいは興味のある内容であること!負荷、というものは慣れるものです。短い表現で構わないので、ネイティブの会話をで「速!」と感じなくなるまでこの練習が必要です。自分の心地よいスピード(TOEICは少し遅いですね)では一歩ネイティブに中に足を踏み入れると、とてもついていけない!と感じてしまうはずです。

 

2つ目はドーパミン。つまり、その表現を知って何か報酬があること。その表現を実際使って相手が頷いてくれた、海外で言いたいことが言えた、海外のホテルを予約できた、海外サイトで買い物ができた、など。これはもうとにかく「気持ちいい」と感じられるかどうか。恋愛で英語が飛躍的に上達するのは、まさにこの「伝えたい!伝わった!」という感覚です。

 

言語に対する好奇心があることを前提に、この2つを常に忘れなければ、必ず英語を操ることができるようになるはず。